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結婚準備室TOP > 特集 > 恋愛 > 行定勲×野尻佳孝 対談 - 結婚式屋の社長の恋愛修行 vol.2
たくさんの結婚式を手がけてきた結婚式屋の社長・野尻佳孝。33歳、独身である。その理由は……「好きな人には超シャイで、恋愛下手」(本人申告)なのだった。そこで、「愛について、この人に聞きたい」と、映画監督の行定勲さんをお招きした。「恋愛は、男女の間でたまたま化学反応が生じた結果だ」と、語ってくれた。
僕はね、自分がダメダメだから、強い女性が好きなんですよ。誉めてくれる人よりは、「ここがよくなかった」と言ってくれる人がいい。もちろん、誉めてもらうと気持ちはいいけど、それだけじゃあダメで。批判がね、人を成長させてくれると思っているから。でも特別、女性の好みがあるわけじゃない。人間関係は常に1対1だと思っているし、その人のよさを見つければ好きになる。女性が100人いたら全員、対象になりますね。意外な人が長続きしたりするし。
100人いたら全員対象? それはすごい。
ただ、一途にひとりだけを思ったりはしないかな。広くいろいろな人と出会って、結婚した人もいるわけだし、短い期間のつきあいだった人もいる。どういう関係になるかは、人と人とが出会った後の“結果”だと、思うんですよね。
行定さんにとって、女友達と恋人とはどう違うんですか?
実は、あまり違いはない。出会いって、巡り合わせとタイミングだから、どこでどうなるかわからない。1対1の人間関係の延長線上に、友情も恋愛もあるんだと思う。その関係にたまたま化学反応が起こった形が恋愛だから。
「運命の出会い」とかって、ないんですかね。
行定さんの映画の中に、「純愛」が出てくることが多いですよね。純愛がブームになって、みんな魂の結びつきみたいなものに憧れてるところがある。
情報がたくさんありすぎて、恋愛とは相手を好きになることという当たり前の本質を見なくなっているんでしょう。イベントを楽しむために、相手がいなければいけないとか、今や恋さえも、ただ時間を消費するためのものになっている気がしてるんです。映画の力では、その壁はなかなか崩せませんね。 若い人たちの恋愛周期って、すごく早くなっている。「ものすごく好きになった人がいる」と言っていながら、1カ月後に「どうなった?」と聞くと、「別れました、ダメでした。でも今、次に好きな人がいる」と。そういうのって、どうなのかなと僕は思うけど。本当の恋愛をしていないんですよね。
じゃあ、『春の雪』で描かれているのは純愛じゃないんですか。
違いますね。ただ、最後に主人公・清顕が死ぬとき、欲を越えて輪廻を信じようとした。生まれ変わって、必ずまた聡子に会えるはずだと。禁断の愛に踏み込んだけど、最後、死ぬときの思いは純粋だった。そこで初めて純愛といえる状態になったんだと思いますね。
今、普通の恋愛さえできない――つまり人を本気で好きになるってことができない人、たくさんいる気がするんです。仕事人間の僕が、人のこと言えないけど。
僕が高校生の頃なんて、携帯電話もメールもなくて、家の電話の前で「相手の両親が出たらどうしよう。本人が出たら何を話そう」と一日中にらめっこして夜になったり、好きな女の子の家の前にずーっと立っていて、帰宅したお父さんに「君は何者だね」と尋問されたり(笑)。そんな風景が普通だった。
相手を好きだから、二人で何もしないでも一緒にいられる。たとえばDVDを観ていたら、彼女が寝ちゃって毛布をかけてあげた。そんななにげない日常は、時間の消費ではなく、確実に何かが残っていく。二人の関係が、思い出が、ひとつひとつ積み重なっていくというか。
恋愛も結婚も、積み重ねですよ。
それは人生経験を積んで、ある意味で自分に余裕があるんじゃないですか? 満たされた日常があって、でも本人は満たされていないと思い込んでいる。常識でとどめられない破滅型の恋愛というのは、実は非常に贅沢なんだと思います。
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