

媒酌人のスピーチは、披露宴開始後、最初のスピーチです。
披露宴全体の雰囲気を左右する重要な役目をになっていますから、できるだけ厳粛な雰囲気で格調高いスピーチである必要があります。
そのためには、奇をてらわず、基本の流れにしたがって述べていくのがいいでしょう。
基本の流れ
媒酌人スピーチでは、必ず話さなければならない事柄があります。基本の流れは、次の通り。
1.列席者へのお礼
媒酌人は主催者側の人間です。両家になりかわって、列席者にお礼を述べます。
2.自己紹介
媒酌人を引き受けることになった理由、新郎新婦との関係、自分の立場などを語ります。また、実質上の仲人がいる場合は、その人を必ず紹介します。
3.挙式の報告
列席者に結婚式が無事にすんだことを報告します。
4.新郎新婦の紹介
新郎新婦の人柄や経歴、両家の家族構成などを簡単に紹介します。学歴は高校くらいからでもいいでしょう。
5.結婚までのいきさつ(なれそめ)
新郎新婦の結婚にいたるまでの経緯を紹介。具体的なエピソードは、あとからスピーチする人に任せてかまいません。
6.はなむけの言葉
人生の先輩として、2人に励ましの言葉を贈ります。
7.結びの言葉
結びでは、新郎新婦へのよりいっそうの今後の支援、および指導を列席者にお願いし、最後にもう一度列席者へお礼の言葉を述べてスピーチの全体を締めくくります。
スピーチの長さ
媒酌人のスピーチの長さは3~5分を目安にします。
ただ、媒酌人のスピーチは欠かすことのできない事柄が多いので、できるだけコンパクトにまとめましょう。
披露宴の一番初めのスピーチとなる、ご媒酌人からの新郎新婦のご紹介ですので、
「○○高等学校を優秀な成績でご卒業され…」や「類まれなる好青年でございまして…」
といった硬い雰囲気のご紹介が多くみられました。
しかし、最近は司会者や、兄弟、ご友人から二人を紹介したり、お母様からのお手紙でご紹介するなど、楽しくて、二人のお人柄が伝わるやわらかい内容が好まれています。
このことからも、ご媒酌人様もこの際『常套句』をはずし、新郎新婦がどんなことに夢中になり、どんな友達とどんな思い出を作りどう成長してきたか…そして普段のお人柄が伝わるような、やわらかい内容で紹介しては、いかがでしょう?
たとえば…
*生年月日、家族構成、最終学歴(学校名)など、おふたりが「これだけは」という部分の紹介を入れる
*留学…大好きだったアイルランドの音楽のルーツにも触れることができ、歴史の重みと先人達の偉大な英知を身体いっぱいに感じ、大きく成長されました
*演劇…中学時代は演劇部に所属され、文化祭では舞台に立ち表現することの楽しさと難しさ、そして人から注目されることの心地よさを経験しました
*スポーツ…こうして○年間続けられた野球を通し、強靭な体力と精神力を養い、仲間と心を一つにして戦い、勝った時の喜び、負けたときの悔しさをしりました
*職業…美容師であるご両親の背中を見て育った○○さんは、いつしか自然に、自分も美容師になると心に決めていました
ちなみに司会者の私たちは、お二人からお話を聞き、それぞれお二人の人生に大きな影響を与えたのだろうと思われる部分を膨らませています。
また、最近は家庭の事情が複雑な方が多いので、出来上がった原稿を新郎新婦に一度目をとおしてもらうことをお勧めします。

披露宴の招待客である来賓は立場も年齢もさまざまです。
主賓と一般の来賓、また一般の来賓の中でも上司と学生時代の友人では求められるスピーチの性格は大きく異なります。
スピーチを頼まれたら、まず自分の立場と新郎新婦との関係を理解した上で、内容を考えましょう。
主賓の場合
主賓は、招待者側の代表として、ほかの来賓に先立ってスピーチします。
披露宴の冒頭の重要な位置を占め、来賓も緊張感をもって聞いていますから、それなりに格調あるものでなくてはいけません。
基本の形式にのっとって、ユーモアは控えめにした方がいいでしょう。
また、自分より地位の高い人や年配者に配慮し、高い席に招かれたことに恐縮の意を表したり、起立している新郎新婦や両親に声をかけて着席をうながす配慮も、忘れてはなりません。
親の関係でスピーチを頼まれたり、直接つながりがなくて新郎新婦についてほとんど知らないという場合もあるでしょう。
そのような時には、事前にまわりの人に評判を聞くなどして、スピーチの材料をみつけておきます。
話すことがみつからないからといって、会社や自分の宣伝に偏らないように、くれぐれも気をつけてください。
主賓ですので短すぎてもいけません。
目安としては3分くらいを目処にするのがいいでしょう。
一般来賓の場合
来賓のスピーチでは、それぞれの立場にあった内容が求められます。
上司なら、職場での仕事ぶりを話すのが望ましいでしょう。
恩師なら、学生時代の新郎新婦について話すのがよいでしょう。
新郎新婦と年齢の近い同僚や学生時代の友人であれば、ユーモアが感じられるあたたかいスピーチで、披露宴の雰囲気を和やかにすることが求められます。
親しい関係だからこそ知っているエピソードや、印象に残っている思い出を通じて、新郎新婦の人柄を紹介しましょう。
ただし、暴露話や下品な話で新郎新婦の品格を落としたり、新郎新婦が恥ずかしくなるような話は絶対に禁止です!
披露宴のスピーチは、新郎新婦を持ち上げることが一番の基本なのです。
●上司の場合
よくあるのが、延々と会社の説明や業績をされる方。
これはNGですね。
どんな仕事をしているのか簡単に紹介するにとどめましょう。
新郎新婦の普段の働きぶりや、心に残るエピソード。
まとめは会社からの期待や人生の先輩としてのアドバイスなどを入れてみてはいかがでしょう。
話す姿勢は凛として、できれば目線も会場全体をS字かZ字でゆっくり動かしながらはなすと、余裕があるように見られます!
●先輩の場合
仕事を通して身近で感じた何気ないエピソードや、勿論プライベートのお酒の席での意外な様子なども。
後輩だけど、ここは自分よりすごいなと思うところなどあれば、いっぱい褒めてあげましょう。
●同僚、後輩の場合
寮生活を共にした方などは、部屋の汚さや意外にマメで綺麗だったりなど、衣食住を共にした人でしか知りえないエピソードを入れるなど、結構笑いも取っています。
しかし、一部の友人のみ、あるいは会社の人にしかわからないような、いわゆる「内輪ネタ」「身内ウケ」は、知らない人にとって、何故笑っているのかわからず、しらけるもの。
合わせて、落としっ放しもNG。
最後はフォローの言葉で持ち上げましょう。
友人→新郎新婦
当日の披露宴には、新郎新婦が人生の中で関わって頂いた、それぞれの時代のそれぞれの友人が出席されています。
スピーチする方が一番長く過ごした時代の懐かしいお話を入れてあげるといいと思います。
女性のゲストは、緊張される方が多いので、お手紙に綴り、当日はそれを読んでから渡すという方もいらっしゃいます。
周りが見えなくなって、新婦とだけ目を合わせて、感極まって涙ながらのスピーチになっても、その心は伝わります。
後は、プロの司会者なら確実にフォローしてくれますので、ご安心を。
主賓・来賓のスピーチの基本の流れ
1.祝福の言葉
新郎新婦と両家へ祝意を表します。
2.自己紹介
自分の名前、立場と新郎新婦との関係を述べます。主賓の場合は、新郎新婦、両親、媒酌人へ着席をうながす言葉を送り、座ってもらいます。
3.僭越の陳謝
主賓の場合、年配者や自分より地位の高い人に対して一言断りを入れます。
4.本題
2人にまつわるエピソードの紹介、新郎新婦の人柄、仕事ぶり、結婚生活に対するアドバイスなどを述べます。特に主賓ではなく一般の来賓としてスピーチをする場合は、スピーチの決まり事が少ない分、内容が問われます。
本題で話す内容はしっかりと吟味しましょう。
5.はなむけの言葉
2人を励まし、勇気付ける言葉を贈りましょう。
6.結びの言葉
再度お祝いの言葉を述べて締めくくります。
とっさのスピーチ
POINT:困ったときは、まずは褒めまくる!
最近は、サプライズで新郎新婦から事前に聞かされず、司会者から突然のご指名でスピーチや、インタビューをされる方も多くいらっしゃいます。
でも慣れてない方にとっては、緊張は勿論、苦痛かもしれませんね。
そんな時はまずは本人を褒めましょう。
ドレスが似合ってる、今日の笑顔は輝いている、幸せいっぱいの様子に自分も幸せをもらった…などなど。締めは「幸せになってね」「幸せをお祈りしています」また「おめでとう」でも十分気持ちは伝わりますよ。
新郎が年下、新婦が年上
POINT:まずは、当人達がそのことを気にしているか否かを知ることが大切
全く気にしない方と、実はその年齢差をとても気になさっている方がいます。
事前に確認しましょう。
でも実際年上女房は「金のわらじを履いてでも探せ」と言われる程、夫婦円満の一つと言われています。経験者からは、「女房の言うことさえ聴いていれば間違いない」とか、「尻に敷かれている位がちょうどいい」というお話を良く聞きます。だからこそ「幸せになれる」と断言してさしあげてもよいでしょう。

上手な乾杯の秘訣
乾杯のスピーチは目安として、だいたい1分~1分半ぐらいを考えるとよいでしょう。
乾杯のスピーチでは、「乾杯の告知」「乾杯の発声」など、必ず入れなければならない決り文句があるので、本題部分は短くても自分の経験に基づいたアドバイスや、自分だけが知っているエピソードを紹介するなどして印象に残るよう工夫してみましょう。
本番ではできるだけ明るい雰囲気で話すように心がけます。声がよく聞こえなくて乾杯が揃わなかったなどということがないように、声のトーンや大きさには気をつけましょう。
乾杯スピーチの基本の流れ
1.自己紹介
自分の名前、新郎新婦との関係を述べます。
2.僭越の陳謝
自分よりも年配の人に配慮して「ご指名により……」「僭越ながら……」の一言を入れます。
3.本題(人柄紹介・はなむけなど)
新郎新婦のエピソードや結婚生活のアドバイスを手短に話します。
4.乾杯の告知
全員にグラスが行き渡っているかを確認し、列席者に唱和をうながします。
5.乾杯の発声
列席者全員に聞こえるように、ゆっくりと大きな声で発声します。
以上が基本の流れです。
あとは、これにオリジナル部分を加えていくといいでしょう。