「子供が欲しい」願望は本能?それとも刷り込まれた幻想? ゲスト 斎藤和弘


人間は「子供は可愛いもんだ」「作るべきだ」と社会から刷り込まれていると言い切る斎藤さん。
そう考える理由って……?


今の20代は結婚に懐疑的じゃなくなった 特に、男の意識が変化したんです

斎藤和弘
(Kazuhiro Saito)
55年生まれ。山形県出身。東京大学卒。 96年『ブルータス』編集長に就任。98年『カーサ・ブルータス』編集長兼務。01年コンデナスト・パブリケーションズ・ジャパン代表取締役社長就任。「GQ JAPAN」、『VOGUE NIPPON』編集長も兼任。

結婚に懐疑的な30代 バンバン結婚する20代

野尻: 斎藤さん、実は僕、そろそろ結婚したいんですよ。今年、もう34歳ですし。でも、結婚懐疑主義の斎藤さんにこんなこと言うと、「なんで結婚するの?」っていきなり切り返されそうですが。
斎藤

何でするの?

野尻: (大笑)。子供が欲しいんですよね。
斎藤 あ~、そっちなんだ。最近の話?
野尻: 兄に子供ができてからですね。
斎藤 そっか~、それはそれで子供の可愛さを知ったんだね。
野尻: そうなんですよ!それまではどちらかというと、子供は苦手だったのに、いざ姪っ子ができたら可愛くて可愛くて。人間ってこういう動物なのかなって。僕の体が子供を欲しているのかなって(笑)。
斎藤 人間は「子供は可愛いもんだ」とか、「作るべきだ」と社会から刷り込まれているんですよ。そこからは、逃れられない。
野尻: 「子供がほしい」と思うことは本能じゃないんですか?それさえも、刷り込み? 「結婚したい」って思いも、幻想だと?
斎藤 そうです。大学進学や就職同様、男の「しなくてはいけない」という思い込みです。
野尻: う~ん。でも結婚したいし、最高のパートナーに巡り会いたい。とはいえ、自分に合う人は誰なのかと考えると、そこで思考が止まってしまうんですけどね。
 
斎藤 野尻さん、いっそ毎年結婚すればいいじゃない(笑)。会社の宣伝にもなるし。
 
野尻: そんな~。
   
主賓はホント大変”主賓貧乏”になっちゃう
斎藤 野尻さんは34歳かぁ。一番微妙な年齢ですね。
野尻: そうなんですよ。
斎藤 34歳って若さを失う一方で、ある種の自信は付く時期なんですよね。でもね、その自信は果たして確実なのかっていうと、そうでもないんですよ。まだ、不確実なの。でも、女性から見たら、そのくらいの年齢が一番魅力的なのかもしれないね。
野尻: でもね、僕はこの年でまだ好きな子とまともに喋れないですからね。笑えるでしょ? 以前も、1年間片思いしていた人がいたんですけれど、話したのはたったの数回ですもん。
斎藤 ハハハッ。
野尻: たぶん、僕の“格好つけ”が喋れない原因なんですよ。そこいくと斎藤さんは、誰とでも変わらず喋れるから羨ましい。
斎藤 それが仕事だもん(笑)。だからね、休みになった瞬間に誰とも会いたくないし、口も利きたくない。しかし、結婚式屋さんが「結婚したい」っておかしいね。
野尻: エッ?
斎藤 だって毎年、毎年何万組もカップルを見てきたんでしょ? その中には、うまくいっている人もいるけど、全然ダメになっちゃった人もいるわけでしょ? そういうカップルを見ていても、結婚したいってことは、この商売やってても、悩みのありようは一緒なんだなぁって感じた(笑)。
野尻: それは、関係ないですよ~。
 
   
 
“最近は、ガーデンで結婚式やって新郎がプールに飛び込むのもあるんです
日本の結婚式ってせいぜい3時間か4時間でしょ 一晩中やる結婚式があってもいい

夜通しのウェディング ひたすら踊るウェディングがあっていい

斎藤

今、野尻さんが「今から1年以内に結婚したい」って言ったら、自薦他薦でものすごい数の人が来るでしょう(笑)。でも、来られても困るんでしょう? 自分から探さなきゃ嫌なんじゃない? やっぱり。

 
野尻: 紹介もしてもらえませんよ。
斎藤 何で?
 
野尻: 多分イメージじゃないですか。週刊誌に合コン三昧とか書かれてますからね。合コンなんてほとんどしたことないのに。
 
斎藤 イメージかぁ。そりゃ、見た目で引く人は一杯いるだろうけど(笑)。どう考えたって。
 
野尻: ですよね~。

   
斎藤 そうだよ。この格好に惹かれるって、難しいですよ。普通にスーツ着ているほうが、モテるじゃないですか。
野尻: ですよね。
斎藤 そうだよ。だって『Oggi』とか『BAILA』とか『Style』を読んでいる女性にしてみれば、デート相手がその格好で来たら困るでしょうよ。しかも、世の中には、そういう人が圧倒的に多いんですから。
野尻: デートにスカジャン着ていきますからね。そりゃ、引きますよね(笑)。
斎藤 最初から、女性の幅を狭めてる。
野尻: なんだか、僕って結婚に向いてないタイプの気がしてきた(笑)。
斎藤 大丈夫、向いてますよ。というか、そもそも結婚に向き不向きなんてないんだから。ただ、踏み込むか踏み込まないかだけの問題。野尻さんも、もっと早く踏み込めばよかったのに。
野尻: うっ。
斎藤 だって、年齢や立場が上がると、年々結婚に対するハードルが高くなって、躊躇せざるを得なくなるでしょ? そんな状況に、自分で追い込んでいるわけだから。結婚なんてビジネスと一緒。最終的には自分で決断して踏み込むしかないんです。
 
野尻: そうか、踏み込むか。今日は勉強になったな。
 
斎藤 今度ウチの会社に遊びに来ません? 20代から30代の女性編集者がバカみたく騒いでいますから楽しいですよ(笑)。
 
野尻: 女性編集者って、いろいろ知っているだろうから勉強になりました。
 
斎藤 まぁ、まともに相手にしないほうがいいと思いますけどね(笑)。
text : Rumi Sato

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photo: Shunsei Takei
  place: SHOTO GALLERY

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  野尻佳孝 (Yoshitaka Nojiri)
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長
72年東京生まれ。大学卒業後、住友海上(当時)に入社。友達の結婚式に招かれた時、「自分の仕切る二次会の方が、断然面白い。だったら……」と、98年10月に同社を設立し、ブライダル業界に参入。たった1畳のオフィスからスタートし、ハウスウエディング市場を作り上げた


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