二人で一緒に年を取っていく幸せ ゲスト 藤代冥砂


「いつも、自分といてくれてありがとう」との感謝の気持ちを、妻・田辺あゆみさんに対して抱いているという藤代冥砂さん。一人ではなく、妻と、そして子どもと一緒に、時間を重ねていけることの幸せを感じている。


人妻っていいもんですよ自分の奥さんだけどあ~、いい女だなって思います

藤代冥砂
(Meisa Fujishiro)
67年生まれ。千葉県出身。明治大学商学部卒。90年にフリーカメラマンとして独立。95年に2年間、世界一周の旅に出る。『週刊朝日』の表紙を始め、雑誌、広告、写真集などで活躍する売れっ子カメラマン。妻である田辺あゆみさんとの歳月をまとめた写真集『もう、家に帰ろう』他、多数。

出会いとは縁あってのものだからこそ、その時間を大切にしたい

野尻:

僕はね、女の人のことをものすごく好きになってしまうと、一言も喋れなくなるんです。好き過ぎて、喋れない。

藤代

スゴイ。それだけ強い感情だってことですよね。

野尻: でも、もしかしたら格好つけたいという気持ちが背景にあるからかもしれません。
藤代 でも、シャイな野尻さんをいいなって思ってくれる人もいますよ。そういう女性が、本物だって気がする。
野尻: それを期待して待っているんですけれどね(笑)。でも初対面の人とすぐに仲良くなれる人が羨ましい。僕、おしゃべりな方なんですよ。男同士でいるときはいくらでも話せるのに、好きな女性の前だと喋れない。だから、僕の今の課題は、女性の前でも自分らしく普通にしていることなんです。
藤代 実は、僕も人と会うのはそんなに好きな方じゃない。でも、会っているときは、いい時間にしたいと思っているんです。せっかく縁あって会っているんだから、その時間はまず自分が楽しみたいなと。
野尻: 僕も、同じ気持ちです。だから、男の仲間は人より多い方だと思います。
藤代 野尻さん、人気ありそうだもんね。
野尻: でも、異性にたいしてはまったくなんですよ! 藤代さん、女性と仲良くするコツってあるんですか? 教えてください!
   
関係をよくしたかったらまずは自分が楽しむこと
藤代 自分がその瞬間を、まず楽しむことですね。楽しくさせようとするから、作為的になって、かえってぎこちなくなっていく。まず自分が楽しめば、それが伝播して、相手もリラックスしてもらえる。犬って警戒すると、向こうも身構えるでしょ。犬と接するときと一緒ですよ(笑)。
野尻: そっか、気を使い過ぎるからダメなのか。
藤代 相手との距離を縮めようなんて一切考えないな。まずは、自分が楽になることです。
野尻: 藤代さんの、その“抜け感”がいいんだろうな。
藤代 野尻さんも、一度「壁」を乗り越えてしまったら、訳ないと思いますよ。普段仲間と接しているような振る舞いでいいんです。
野尻: ありのままの自分ということですよね。最近は、自然体の兆しも見えてきたんですが……。高校時代にチーマーのリーダーをしていた頃は、女の子からの視線を感じても黙って素知らぬふりをするのが美学だった。その癖がまだ抜けきれていないんです。
藤代 でも、野尻さんがこんなカワイイ人だったなんて、新鮮ですね。押し寄せる女の波を、うまくかわしたり、かわさなかったりしているのだろうと思っていました(笑)。こりゃ、面白い裏切りですね。
 
   
 
結婚式屋ですからね。準備は万端あとは運命の人を待つばかり…
子どもができてから彼女への感謝の気持ちがますます強くなりました

感謝の気持ちを伝えることは関係を持続させるコツ

野尻: 藤代さんは、母親になった奥さんにも、ちゃんと自分の気持ちを伝えているんですか?
藤代 伝えていますよ。毎日、「ありがとう」は言いますし、「好きだよ」って言うこともあります。永続的な関係を持続させることが、目下の重要なテーマなので。
 
野尻: 夫婦生活における我慢や妥協はない?
 
藤代 ちょっとキレイな言い方をしちゃうと、彼女には感謝しているから。いつも、「自分といてくれてありがとう」と思ってます。
 
野尻: いいなぁ~、それって。

   
藤代 それまで、3ヵ月しか女性とはもたなかった男なんですけどね(笑)。
野尻: 感謝の気持ちを伝えることが、藤代ご夫妻の継続の秘訣か。
藤代 でも、言葉だけじゃダメ。何かしらの瞬間に実感として感謝を感じないと、ウソになっちゃうから。僕の場合、やっぱり、子どもができて感謝の気持ちがますます強くなった。あんな苦しい思いをして産む姿を見たら、男としては謙虚にならざるを得ない。しかし、“人妻”っていいもんですね。自分の奥さんだけど(笑)。汗を流して涙を流して、子どもを産み育てる姿を見たら。「あ~、いい女だなぁ。いい人だなぁ」って思いますよ。

恋愛って、燃え尽きることを恐れずに突っ走るものだと思っていたけど、「その先」があったんですね。それを確認することができてよかったな。
野尻: 僕もそう言ってみたい(笑)。
藤代 でも、恋愛って間違いなくいいものですよね。
野尻: 恋愛の先に、藤代さんみたいな幸せな結婚があれば、もっといい。
藤代 彼女は僕にとって、5年という長い時間を過ごした初めての人。その歳月が、新鮮だった。今も、これから起こること全てが未知の領域で、それがすごく楽しみ。自分が年を取っていくのも楽しみです。20代の頃は、年を取るのは一つの恐怖だった。子どもを持って丸くなって、家を買うなんて……恐怖だった。

でも今は、普通に年を取っていく喜びを感じている。一人じゃなくて一緒に成長していく相手がいることが、時間を積み重ねていけることが、すごく幸せなんですね。これは、守りでもなんでもなく発展だなって。今は、何も足さなくていい。ただ家族の健康を願うばかり。健康であれば、それでもう幸せ。
野尻: いいなぁ~。僕も結婚しよっ。子ども作ろっ!
藤代 すごくいい旦那さんになる気がする。奥さん大事にしそう。そんな感じがしますけどね。結婚式は、呼んでくださいね。
野尻: なんせ結婚式屋ですからね。準備は万端です。面白い結婚式にしますよ!
あとは運命の人が現われるのを待つばかり…。
text : Rumi Sato

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photo: Shunsei Takei
  place: SHOTO GALLERY

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  野尻佳孝 (Yoshitaka Nojiri)
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長
72年東京生まれ。大学卒業後、住友海上(当時)に入社。友達の結婚式に招かれた時、「自分の仕切る二次会の方が、断然面白い。だったら……」と、98年10月に同社を設立し、ブライダル業界に参入。たった1畳のオフィスからスタートし、ハウスウエディング市場を作り上げた


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