子供を生んだ瞬間に母性は花開く ゲスト 藤代冥砂


「子どもなんて産めない人だろうな」と妻・田辺あゆみさんについて思っていたという藤代冥砂さんも、最近、パパになった。子どもを産むことで、女は母になると実感しているという。立会い出産の体験についても、語ってくれた。


彼女が年を取っていく姿が見たいできたら自分が傍にいたいだから結婚したくなった

藤代冥砂
(Meisa Fujishiro)
67年生まれ。千葉県出身。明治大学商学部卒。90年にフリーカメラマンとして独立。95年に2年間、世界一周の旅に出る。『週刊朝日』の表紙を始め、雑誌、広告、写真集などで活躍する売れっ子カメラマン。妻である田辺あゆみさんとの歳月をまとめた写真集『もう、家に帰ろう』他、多数。

3ヵ月のショート恋愛をしていた男が「永遠の愛」に目覚めたワケ

藤代

実は僕、女の人と長い間付き合ったことなんて一度もなくて、もってもせいぜい3ヵ月だったんです。

野尻:

僕も“ショートターム派”だけど、3ヵ月?僕より、短い!

藤代 自分から振ったこともあるし、もちろん振られることもあるけれど、いつも3ヵ月。3がマジックナンバーなのかな(笑)。
野尻: 僕は半年くらいが多いですね。だからね、そこから先って、未知のゾーンなんですよ。半年を過ぎるとね、「この先、何をしたらいいかわからない~」と思うことがある(笑)。
藤代 短期間のうちに、恋愛の起承転結を全部やっちゃうからかな?
野尻: そんないいものじゃないですよ。もしかしたら僕は、恋愛そのものを未だに知らないのかもしれない(笑)。半年ぐらい付き合うと、普通は二人だけの深い繋がりを見つけるでしょ。でも、僕の場合は完全燃焼せずして終わるっていう感じで。
藤代 そうこうしているうちに、振られたり、新しい恋が始まったりすると。
野尻: そう(笑)。この次って結婚なの? と思うときもありますが。藤代さんは、どうして結婚まで至ったんですか?
藤代 うーん。運命かも。もちろん恋愛のたびに、いつも運命は感じていたし、結婚も考えていました(笑)。でも今回は、やっと本物の運命に巡り合えたのかな。
   
彼女との「未来」が愛おしい初めて抱いた前向きな感情
野尻: 運命って何だろう。フィーリングですか(笑)。
藤代 う~ん。その人と一緒に年を取っていくイメージがすごくクリアに浮かぶということかな。彼女が年を取っていく姿を見てみたい。そして、できたらそこに自分もいたいなと思った。生まれて初めて、「未来」に対して愛おしいという気持ちが生まれたんですよね。
野尻: 僕も、「生涯、この子の傍にいたいな」っていう人がいました。一緒に、おじいちゃん、おばあちゃんになっていきたいと思ったのは彼女だけでした。振られてしまいましたが(笑)。 ところで、最近男の子がお生まれになったそうで。おめでとうございます。きっと、メチャメチャうれしかったでしょう。
藤代 正直、生まれたときはピンとこなかったんですよ。でもだんだん、“ゴム人形”から“人間”になってきたら、「自分の子どもだぁ~」って思いましたね。
野尻: 子どもは、かわいいもん。僕も、兄と妹に子どもができてから、実家で姪たちに会うのが楽しみで。まさに、「目に入れても痛くない」という気持ち。それ以来、すごく子どもが欲しくなった。それからですね、僕の中で結婚を意識し始めたのは。
藤代 じゃあ、女の人を見るときも、将来いい母親になりそうかどうかで見ちゃうでしょ。
野尻: そうなっちゃったんですよ~(笑)。昔は気になる人がいたら、早い時期に「付き合おう」と言えたのに、簡単には言えなくなってしまったかも。いいなと思った人から「子どもは欲しくない」なんて言葉を聞くと、僕の中で何かが一つ終わっちゃうんです。気分は「結婚準備」に入っているので、慎重になり過ぎちゃっているのかな(笑)。
 
   
 
「生涯この人の傍にいたいな」そう思った恋は、振られてしまいました
「子供なんて産めないような人」に見える女性も産んだ瞬間、母性が花開く

最初から「いい母親」なんていない子どもを産むから「いい母親」になれる

藤代 でもね、現時点で母性を強く感じさせない人でも、子どもを産めば、いい母親になるもんですよ。彼女のことを、「子どもなんて産めないような人だろうな」って思っていたんです。だけど、生まれると母性が花開く。やっぱり、母親になっていくものだと思いましたね。だから、大丈夫ですよ。そうやってみんな、いい母親になっていくんですよ。
野尻: いいこと聞いたな。僕がこれまで好きになった女性って、一人でも生きていけるんだろうなという刺激的な女性が多くて、どうしても母親像がイメージできなかったんです。でも、みんないい母親に変わる瞬間があるのかもしれないですね。
 
藤代 その瞬間に立ち会えるのも、醍醐味ですよ。あんな女が、いきなりこうか!って感じですもん(笑)。女性は、妊娠すると劇的に変わります。男が父親になるのとはわけが違いますね。肉体からして大きく変化するから、精神も変わるんでしょうね。
 
野尻: 助産院で立会い出産をなさったとか。
 
藤代 彼女がなるべく自然な方法で産みたいと。だから、助産婦さんの家の6畳間で出産したんです。でも、大変でした。産気付いたのは夜中だけど、生まれたのは翌日の夕方。18時間もかかりました。

   
野尻: 女の人って、すごいなぁ。
藤代 ホント。普段はゴロゴロしているのが大好きな人なのに、産気づかせるために必死で階段上り下りしている姿を見たら、「恐れ入りました」と心の底から彼女に対して尊敬の念が沸きましたね。それに比べて男はふがいない。僕なんて、彼女の腰をさすっている間、あまりの眠さに途中で寝ちゃいましたから(笑)。
野尻: 生まれた瞬間はすごく感動したでしょう。
藤代 彼女は出すことに必死だったので、「出た~」って感じでしたが、僕はウワッ~って泣いてしまいました。映画を観たときのようなストーリーで泣く涙とは全然違う、わけもなく湧き上がってくるようなそんな涙でした。
野尻: 出産は男が唯一経験できないこと。それを共有した繋がりは、強いでしょうね。
藤代 まさに、身を分けたって感じですよ。僕、彼女の胎盤を食べたんです。
野尻: エッ。胎盤って、食べられるんですか?
藤代 助産院の先生が、産後のケアの一環として、積極的に胎盤を食べるべきだと勧めてくれたんです。栄養が豊富なので、体の回復にとってもいいそうです。僕の場合は炒めて食べましたが、無味無臭でした。刺身でも食べられるそうですよ。
野尻: 考えてみれば、犬も猫も産後に胎盤を食べますもんね。
藤代 そう。だから自然な行為なんです。
野尻: 神秘的ですよね。
藤代 彼女の一部を自分の体に取り込んだということになりますからね。まあ僕は、胎盤を食べるなんて一生に一度のことだと、好奇心で食べてみただけなんだけど。
野尻: 僕も子どもが出来たときには、食べてみようかな。
藤代 ぜひ生で食べてみてください。お醤油付けて食べられます。
text : Rumi Sato

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photo: Shunsei Takei
  place: SHOTO GALLERY

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  野尻佳孝 (Yoshitaka Nojiri)
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長
72年東京生まれ。大学卒業後、住友海上(当時)に入社。友達の結婚式に招かれた時、「自分の仕切る二次会の方が、断然面白い。だったら……」と、98年10月に同社を設立し、ブライダル業界に参入。たった1畳のオフィスからスタートし、ハウスウエディング市場を作り上げた


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