結婚準備室TOP > 結婚準備マニュアル > 鏡リュウジ×野尻佳孝 対談 - 結婚式屋の社長の恋愛修行 vol.9
鏡リュウジさんから投げかけられる言葉は、占いの言葉なのかもしれないし、占いの言葉ではないのかもしれない。それでも、星が示してくれる言葉に耳を傾けてみることは、自分を再発見・再確認するチャンスを与えてくれる。
鏡リュウジ (Ryuji Kagami) 68年生まれ。京都府出身。国際基督教大学大学院修士課程修了。平安女学院大学客員教授。10歳の時にタロットカードに出会ったのをきっかけに、神秘的なものに惹かれ、占星術の世界に足を踏み入れる。高校時代には、雑誌で占いの連載を開始。西洋占星術とユング心理学を融合した心理占星術の第一人者。著訳書に『魔法の杖』(ソニー・マガジンズ)、『占いはなぜ当たるのですか』(講談社文庫)など多数。
でも、鏡さんと僕は初対面なのに、なぜこんなにも僕の性格を言い当てることができるんですか? なぜ占いは当たるんですか?
それがわからないんですよ。おかしな話で、間違ったデータでも当たっちゃうこともあるし(笑)。一言で言うと、不思議な偶然が時々起こることがあるってことでしょうか。ただ、自分と世界と宇宙と、つまりすべてのものが繋がりあっているという考えが、昔はあった。そして人が生まれたときの星空に、その人の世界観が凝縮されて映し出されていると信じられてきた。それが占星術の歴史なんです。占星術が蓄積してきたものの見方を利用させてもらっているといえばいいのかな。
野尻さんが結婚式屋の仕事で成功した理由、こういうことなのかもしれない。結婚式って、昔からある伝統的な儀式ですよね。そこに古い枠組みとは違った新しいものを生み出していく性質を持った野尻さんが、自分らしさとかオリジナルという概念を持ち込んだ。でも、古い伝統をすべて壊すわけではなく、伝統性、保守性の象徴である土星がギリギリのバランスを取っている。だから「ここまでやりすぎると、結婚式じゃなくなっちゃう」ということにならずに、新しいスタイルの結婚式を生み出すことができたんじゃないかと。
なるほど。僕がもし、天王星と水星だけしか持ってなかったら、とんでもない結婚式を作っちゃって、ビジネスにならなかったのかもしれないわけか(笑)。確かに、攻めの部分も守りの部分も、両方とも持ってる人間なんだろうなって、自分でも思います。 「自分ってこんなタイプなんじゃないかな」と、30歳過ぎてやっとわかるようになってきたんですが、それを鏡さんとの話の中で再確認させてもらった気がする。「あっ、やっぱり俺ってこういう星のもとで生まれてたから、こういう性格が形成されたんだ」って。
「こうしなさい」と断定的なことを鏡さんが言わないのは、「あとは自分で考えて。どうしていくかはあなた次第」ってことなんですよね。 でも、世間でこれだけ占いが人気だってことは、みんな何かを聞きたがっているというか、不安な時代なんですね。 占いの中に現れた言葉を文字通りに受け止めるのではなく、「これは、自分にとってはどんな意味を持つのだろう」と考えると、自分自身の解釈をより深めていけると思います。
今、占いは唯一残った宗教なんだと思います。
宗教?
これだけポピュラーなのに、「占いを信じてます」とは声を大にしては言えない感じがあるのって、どうしてなんだろう。
現代では、自分のことは自分で意志決定すべきという考え方が支配的だからでしょうね。でも僕は、信仰心で生きていくこともいいと思うんです。歴史を紐解いてみると、自分で意思決定できる「個人」が誕生したのはわずか100年くらい前の話。例えば、ギリシャ時代は「神託」がすべてを決定し、逆らうなんてことできなかった。つい100年くらい前までは、自分で人生を決めることができず、信仰心と依存心を持つしかなかったわけですから。
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