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| 2006-02-26 19:49

果たせなかった約束

今日、社内のイントラネットを見ていたら、なんと5年前の

私の書き込みを発見しました。

2001年 9月23日。

私がプランナーになって1年目のことです。

そのタイトルは「果たせなかった約束」

私にとって忘れるはずも無いある結婚式について書いたものでした。

5年前の自分の文章を読んで、この日の色んな思いが蘇りました。

その「果たせなかった約束」をそのまま添付します。

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果たせなかった約束

先日私はとても悲しく、でも貴重な体験をしました。10月28日のご新婦様にはお母様が
おらずお父様も末期ガンでした。そのお父様に花嫁姿を見せたいというのが新婦の
願いであり、お父様の願いでもありました。ところが、9月4日、新婦から披露宴を延期
したいとの電話が。
理由はお父様が10月までもたなそうだから・・というものでした。結局披露宴は1月に
延期になり、「落ち着いたらご連絡します」と新婦。でも落ち着いたらってどういう事
でしょう?お父様は延期になったことも知らずに10月28日を楽しみにしているのです。
2人にもどうする事も出来ずにただため息をつくばかりでした。

そんな2人を見て、おせっかい心がムクムクと湧き上がってきました。
「病院のお父様のベットの側で小さな結婚式をあげませんか?」
勇気のいる一言でした。
病院での結婚式なんて初めての事です。もし失敗したらどうしよう・・ここまで私が立ち
入る事ではないのかもしれない・・色んな思いがありました。しかし、この一言で一度
止まっていた結婚式が再び動き始めました。乗り気になって喜んでくれている二人や
お父様の為にも絶対この小さな式を成功させたいと強く思いました。

式の内容も結婚宣言は聖書ではなくお父様の手の上に2人の手を重ねるようにアレン
ジ。また、ペンを持てないお父様がサイン出来る様に拇印でのサインを提案しました。
毎日新婦と携帯でやりとりをし、後は式を待つばかりという9月10日、新婦からでは
なく新郎から電話がありました。
不吉な予感は的中し「昨日の夜、様態が急変して帰らぬ人となりました。」

本当にショックショックショックでした。絶対にこの世に神様なんていないと
思いました。後6日で娘の花嫁姿を見れる、それだけを楽しみにしているお父さんの
お迎えを6日くらい待ってくれてもいいじゃないか!って神様に怒鳴り込みたかったです。
と同時に自分に自己嫌悪でした。
私がいらない提案をしたばかりに皆、期待が膨らんでしまい特に新婦のショックが
大きくなってしまったに違いないと思いました。なんて謝ろう、そればかりで気が
重かった9月16日に新婦から電話がありました。本当だったら結婚式をしていた
はずの日です。
携帯に着信があったので折り返し電話をしてみると、「今日予定通り籍を入れました。
それを有賀さんに報告したくて」と迎賓館の前まで来てくれていたそうです。
私は打合せ中で電話に出れずに結局お会いできなかったのですが、本当に感激
でした。2人共、後悔は一切していないと言ってくれました。お父様が亡くなるまで
ただ何も出来ずに見ているだけじゃなくて、式をやろうという気持ちになって最後に
皆でお父さまの為に動けたことが良かったと言ってくれ、本当救われました・・。

最後に新婦が言ってくれた「他人の私たちの為にここまでしてくれて本当に有難う」
というこの言葉が私にとって何よりの最高のコーディネート料でした。この新婦とは
すっかり仲良くなり時々携帯でお話をしています。この体験で私はコーディネーターと
してすごく成長できたと思っています。

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後日談になりますが、お父様のお葬式から数ヵ月後にご新婦様から

お電話がありました。

「どうしても有賀さんに結婚式がお願いしたいんです。父も天国からきっとこの

結婚式を喜んで見ていてくれるはずだから・・」と。


嬉しかったですね。

このお2人の結婚式を私の手でお手伝いさせて頂けることが幸せでした。

ご新婦様にとって一生忘れることの出来ない最高の一日を創り上げたい

と思いました。

天国のお父様に花嫁姿を見て頂く為に挙式はガーデンですることにしました。


結婚式当日。

なんと、朝から雨。


でも、奇跡を信じました。

絶対に晴れる。

お父様が晴れさせてくれると信じました。


2人もゲストも会場のスタッフもみんな空を見上げて祈りました。


そしたら、本当に起きたのです。

奇跡が。

挙式の10分前になんと雨が上がり、青空が顔を出したのです。


その瞬間、会場にいるスタッフ全員が一斉にガーデンに飛び出して、

雨水を雑巾で必死に拭きはじめました。

みんなこのガーデン挙式の意味を知っていたからです。

ゲストからは温かい拍手が生まれました。

お2人の顔にも笑みが生まれました。


こんなに気持ちいい嬉しい雑巾かけは生まれて初めてでした。

ちなみにこのシーンはフジテレビの「ウェディングプランナー」でも再現されました。


そして、2人はゲストに囲まれて緑溢れるガーデンで無事結婚式を挙げることが

できたのです。

ご新婦様の胸にはしっかりお父様のお写真が抱かれていました。

空を見上げて最高の笑顔で微笑むご新婦様をみて、私は涙がとまりませんでした。


思えば、プランナーとしてではなく、1人の人間として純粋に心で動いて創った

結婚式だった気がします。

結婚式が終わった時にご新婦様がおっしゃった一言を今でも覚えています。


「私にとって最高に幸せだったことは何よりもあなたに出逢えたこと」


この言葉は私の一生の宝物です。

だから、5年経った今でも忘れられない結婚式。

この日の感激を今日、また思い出しました。