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03その他 | 2005-10-14 21:09

忘れられない結婚式

今日は、超長文になりそうです。
すみません・・。

先日、ある取材で

「有賀さんにとって1番忘れられない結婚式はどんな結婚式ですか?」
という質問をされました。

この質問って実はすごく難しいんですよね。

どの結婚式も1つ1つに「一生忘れられない結婚式になるように」という願いを
込めてお手伝いをさせて頂いているので、私の中でも「どれが」とすぐに選ぶ
ことが出来ないのです。
でも、色んな意味で私にとって「忘れられない結婚式」がありましたので、
そのお話をさせて頂きました。

今から5年前。
私はウェディングプランナーになって半年でした。

担当をさせて頂いたそのお2人には3歳になるとてもかわいい男の子がいらっしゃり、
ご新婦様は同年代ということもあり、お友達のような感覚で楽しくお打合せをさせて
頂いていました。

準備は滞りなく進み、いよいよ明日が結婚式本番という最終打合せの際、
ご新婦がひとりでいらっしゃったこともあり、女同士色んな話で盛り上がりました。

そんな中で、ご新婦様がぽつりぽつりとこんなお話をしてくれたのです。

「私たち家族にとって、明日の結婚式はとても深い意味を持ったものなのです。」

3年前、新郎は20歳、新婦は24歳でした。

新郎は、小さい頃からプロスポーツ選手になるための専門学校に通い、
限られた才能を持つ者しかその世界では生き残れないという、
厳しいプロスポーツの選手でした。

やっとその学校を卒業し、プロデビューして勝負するという1番大切な時期。
その時期に彼女のお腹に新しい命が芽生えていることがわかりました。

既に結婚を意識していた2人は、とても喜び、すぐに両親やまわりに
結婚したいという意志を報告しましたが、新郎側は両親やまわりの
猛反対に合ったそうです。

理由は
「自分のことだけでも精一杯になるというこの1番大切な時期に、
この若さで何故家族を持たなければならないんだ。結婚したら
注意が散漫になってプロ選手として失敗するはずだ」
ということでした。

新婦はそんな周りの声を聞き、「確かに私は彼の将来の可能性を
つぶしてしまうかもしれない。この子は1人で産んで育てよう」
と決意し、彼にそれを伝えたそうです。

でも新郎は、
「彼女と結婚して子供と3人幸せな家庭を築きたい。でも、小さい頃から
夢見ていたこの世界でもプロとして成功したい。どちらも諦められない。
自分は両方を手に入れるんだ!」と強い意思で決意し
周りの猛反対を押し切って彼女と結婚をしたのだそうです。

しかし、そのことは業界新聞などで
「○○、年上妻とできちゃった結婚。選手生命絶望的!」
などと心ないバッシングにあい、2人はとても傷つきました。

そんな苦しい状況の中、2人が約束したこと。

それが、「いつか自分達が誰の前にいっても、胸を張って自分達は幸せだ!
と言えるようになったら、結婚式を挙げよう」ということでした。

そして、その日から3年・・。

「私たちは、本当に家族3人で幸せな毎日を過ごしています。彼の仕事も順調です。
もう、胸を張って私たちは幸せだと皆に言えるようになりました。
だから、結婚式を挙げることにしたんです。
明日は私たちにとって3年間の願いが叶う特別な日なんです」

そんな話を、私と新婦は結婚式の前日に4時間にもわたって2人で
泣きながら語りあったのでした。

だから、いつも以上に「絶対私が最高の結婚式に」という思いを強く望んだ当日。
思いもしないハプニングが起こりました。

結婚式が始まって5分も経たない頃、急に司会者が突然の発作で
倒れてしまったのです。
主賓の挨拶が続く中、会場を担架で運ばれていく司会者・・。

会場中の誰もがこの進行役を失った結婚式が一体その後どうなるのか、
不安そうな表情でことの成り行きを見守っていました。
私はこの突然のハプニングに一瞬頭の中が真っ白になり体中が
震えたのを覚えています。

でも、その突然のハプニングによる動揺よりも先に

「あの2人の3年越しの思いのこもったこの結婚式は
絶対に私の手で成功させてみせる!」

という体の中から、今までに感じたことのない未知数の力が湧き上がってきました。
今思えば、これが俗に言う「火事場のバカ力」というものなのでしょうか。

誰もいなくなった司会台に立ち、震える手でマイクを持ち90名の
ゲストに向かってこう宣言しました。

「初めまして。私ウェディングプランナーの有賀明美と申します。
お2人が今日のこの結婚式にどんなに深い思いをお持ちか私はよく知っています。
ここからは、つたない司会ではございますが、私の方で司会進行を務めさせて頂きます。
皆様お力添え、どうぞ宜しく御願い致します!」

この宣言に一斉にゲストから温かい歓声と拍手が沸きあがりました。
この時のゲストの温かさには、頭が下がる思いでした。

さて、その後の結婚式はどうなったかというと。。。

私は、司会者さんが残したメモを見ながらみようみまねで司会進行を・・。
必死でした!

でも、そんな私を助けようとしてくれるゲストが出始めたのです。

私のつたない司会を一生懸命フォローしてくれようとする新郎友人。
アドリブで歌を歌ってくれたり、スピーチをしてくれたり、盛り上げてくれる新婦友人。
奮闘している私のところまで「頑張れよ!」と肩をたたきにきてくれる伯父さん。

涙が出るほど、有り難かったです・・。

新郎新婦の友人、上司、親族、両親、そこにいる全てのゲストの思いは1つでした。

「何とかこの結婚式を成功させたい。2人にとって最高の日にしてあげたい」

そんなゲストたちに支えられて結婚式は大盛り上がりの中、
無事に終了したのでした。

送賓時には、なんと全てのゲストが私のところまでわざわざ来て、
「よく頑張ったね」と声を掛けてくれたり、握手をしたりしてくれました。

そんな中であるゲストから頂いた言葉が忘れられません。

「僕は今まで何百という結婚式に出てきたけど、今日ほど大きなハプニングに
見舞われた結婚式はなかったよ。だけどね、こんなにもゲスト1人1人が
1つにまとまって一体となって創られた結婚式は、今まで見たことがなかった。
結婚式っていうのは、ゲストが受身の場合が多いけど、本来はこんな風に
みんながひとつになって同じ思いでつくるべきものなんだよね。
今日は温かいいいものを見せてもらいました。有難う。」

この言葉は、私にとって結婚式の本来のあるべき姿というか、1番大切な
「結婚式はみんな1つの思いで創るもの」ということの大切さを
改めて再認識させてくれました。

そして式後、本日のハプニングについてお2人に謝罪に行った
私に新郎新婦から頂いたお言葉。

「ハプニングには最初はどうなることかと動揺しましたが、
こうやって無事終了してみて思うのは、これこそ私たちらしい結婚式だったなーって。
私たちの人生もハプニングと周りの支えの繰り返しで今日まで来ましたから。
きっと一生ゲストにとっても忘れられない結婚式でしょうね(笑)
3年ごしの夢が叶いました。最高の結婚式を本当に有難う」

本来なら、結婚式で司会者が倒れるなんてハプニングは
許されることではありません。
それにも関わらず「有難う」という言葉までくれたこのお2人には
本当に頭が下がる思いでした。

ですが、2人にとって今日の結婚式が確かに色んな意味で
「忘れられない結婚式」になったことが何よりもウェディングプランナーとして
嬉しくて嬉しくて涙が出ました。

この結婚式をきっかけに、私は「みんなが1つの思いになれる」そ
んな結婚式を創ることを常に目指してお手伝いさせて頂いています。

そんな5年前の思い出に浸りながら、あまりにも長文過ぎることに
深く反省している有賀明美でした。

ここまで読んでくださった方、有難うございましたm(__)m